2004年

アットホーム・ダッド 動画観るならどこ!?

アットホーム・ダッド

アットホーム・ダッド
念願のマイホームを手に入れた和之ら山村一家。しかし、その後勤務先の広告代理店を辞める羽目になった和之は、家事を一手に引き受けることに…。
主演の阿部寛演じる山村和之が、慣れない家事で奮闘する姿を描くホームコメディドラマ
放送年 2004年
放送局 フジテレビ
話数 全12話
スペシャル 全1話(2004年)
キャスト 阿部寛
宮迫博之
篠原涼子
中島知子
永井大
滝沢沙織
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あらすじ

大手広告会社に勤務する山村和之(阿部寛)は、ついに念願のマイホームを購入。仕事も順調で、妻の美紀(篠原涼子)と6歳になる娘・理絵(安藤咲良)との幸せな生活に満足していた。隣家は、理絵と同じ年の息子を持つ杉尾夫妻。人材派遣会社を経営する妻の笙子(中島知子)に代わって、夫の優介(宮迫博之)が“専業主夫”をしているらしい。引越し当日、和之は仕事のトラブルで会社へ。美紀は町内を牛耳っている主婦・真理江(川島なお美)に早速つかまり、なかば強引に自宅に招かれてしまう。真理江の家には、スポーツクラブでインストラクターをしている健児(永井大)の姿も。健児は幼稚園の先生・冴子(滝沢沙織)とデートしているところを真理江に目撃され、彼女に頭が上がらないのだ。疲れきって帰宅した和之は、美紀から隣家では優介が主夫をしていることを聞き、優介を男として見下す。ところが、和之は子会社へ転籍することになり、美紀はかつての同僚に呼び出され、新創刊の雑誌を手伝ってほしいと誘われる。和之は会社を辞めてしまうが、新しい仕事はすぐには見つかりそうにない。結局、美紀が仕事に復帰し、和之は不本意ながらも、軽蔑していた優介と同じ“主夫”業に専念することに。

各話エピソード

第1話
専業主夫誕生
大手広告会社で働く山村和之(阿部寛)は、夕暮れ迫る住宅街で、感慨深く立っていた。念願のマイホームを手に入れたのだ。そのマイホームの中に入った和之は、満ち足りた気分で床に寝そべった。「あっ、パパ来てる」。玄関のドアが開くと同時に、6歳になる娘の理絵(安藤咲良)と妻の美紀(篠原涼子)が現れた。「お庭見ようか」。美紀が理絵と庭に出ると、隣りの杉尾家のご主人と目があった。杉尾家では、早速新しいお隣りさんの話題となった。「奥さん美人?」「別に」。妻の笙子(中島知子)に聞かれて夫の優介(宮迫博之)ははぐらかした。夫婦には理絵と同じ年の幼稚園に通う息子、亮太(吉川史樹)がいる。ごく普通の家庭に見えるが、一つだけ変わったところがある。この夫婦、笙子がキャリアウーマンとして稼いで、優介は家事すべてをこなす『専業主夫』なのだ。山村家の引っ越し当日。和之は急に会社に呼び出されたので、美紀は目の回るような忙しさ。杉尾家の3人が声をかけてくれ、互いに好印象をもってしゃべっていると、「あら、こんにちは」と馴れ馴れしい女の声が聞こえた。岩崎真理江(川島なお美)は息子と水泳教室の帰りらしい。「よろしくお願いします」。美紀が挨拶のクッキーを差し出すと、真理江は「形に残るものがいいのよ」と皮肉をひとくさり。お菓子の講習会を口実に、美紀はなかば強引に真理江の自宅に招かれてしまった。
第2話
主夫一日で成らず
和之(阿部寛)の『専業主夫』の初日は、波乱のスタートとなった。大慌てでゴミを出してキッチンに戻ると、愛娘の理絵(安藤咲良)が髪飾りのリボンを持ってきた。「ねえ、やって!」。戸惑っていると、幼稚園の送迎バスの時間に遅れそうになった。理絵を抱えて、懸命に走る和之。息せき切ってバスに追いついたと思ったら、降りてきた担任の冴子(滝沢沙織)が首をかしげた。「あの、ここじゃないんですけど…」。走りすぎて、一つ手前の停留所まで遠回りしてしまった。次の停留所につくと、優介(宮迫博之)が息子の亮太(吉川史樹)を連れて、近所の主婦たちと立っていた。「なんだ、ここか」。和之がバスから降りると、真理江(川島なお美)が声をかけてきた。「専業主夫をなさるんですって?」。「次の仕事が決まるまでの、骨休めです」。「骨休め…」和之のその軽率な一言が、真理江をカチンとさせたことに優介は気づいた。「主婦業、バカにした態度でいいんですかね。岩崎さんににらまれても知らないから。」全然反省していない様子の和之に、優介がさらに「困ったことがあれば、いつでも言ってください」と声をかけたのに「お気持ちだけいただきます」とすげない返事。さすがに優介もムッときた。帰宅すると和之はまずリビングに掃除機をかけはじめた。ところが宅配便の認め印を見つけるのに一苦労。金庫から、桐の箱を取り出して、高級な実印を持ってきた。次は洗濯にとりかかったが、水が出てこない。「どうなってるんだ」。パソコンで検索したが、原因が分からない。ふと窓の外を見ると、隣家では優介が洗濯物を干し終えて、余裕の表情で手を振っている。「くそっ」。和之はパソコンの画面をにらんだ。
第3話
主夫の心妻知らず
和之(阿部寛)の家事はいっこうに上達しない。皿洗いをすればズボンがびしょぬれ。おまけに不精ひげが伸び放題。「誰に会うわけじゃないだろ」「それにしたって…」。美紀(篠原涼子)は納得いかない様子。かたや杉尾家では、優介(宮迫博之)が笙子(中島知子)の遅い晩ごはんにつきあっていた。「お隣りの奥さん、大丈夫かな?」。美紀のようなタイプが職場復帰すれば、誘惑の危険がいっぱいあると笙子は言う。「でも良かったね、主夫友達できて。うれしそうだよ、優介」。「…何も出来ないから見てられないだけだよ」。場所は変わって、ここは冴子(滝沢沙織)のマンション。「まいったよ」と冷や汗をぬぐいながら入ってきたのは健児(永井大)だ。あやうく近所の奥さんに見つかりかけた。「バレたら別れるから」。ウワサになればとても幼稚園の先生なんかやってられない。「それって、俺より仕事が大事ってこと?」。健児は落ち込んだ。スポーツクラブの親子スイミング教室で和之は優介に出会い、「明日のスイーツクラブ忘れちゃだめですよ」と念を押されたが、和之は真理江(川島なお美)がどうも苦手だ。が、親の付合いが子供に影響すると聞かされては欠席するわけにはいかない。「お隣りさんは、よくやるよ」。その夜、和之がボヤいていると、美紀が今度の日曜日、もんじゃ焼きを食べに行こうと提案した。
第4話
老いて主夫に従え
美紀(篠原涼子)が帰宅すると和之(阿部寛)がミシンと悪戦苦闘していた。「今度の幼稚園は手作りじゃなきダメなんだ」。理絵(安藤咲良)の手提げ袋を縫っていたのだ。しかしひどい出来栄え。「やだ!」。翌朝、理絵は一目見るなり嫌がったが、和之は無理やり持っていかせた。「よくあんなの我慢して持ってったね」。和之にミシンを教えることになった優介(宮迫博之)も呆れ返った。一方、美紀は笙子(中島知子)からグチを聞かされた。「うちの旦那、最近なんか怪しいのよ」。夫婦共同で使っているパソコンのホームページの閲覧履歴が毎日きれいに消去されている。「絶対エッチなサイト見てんのよ。おたくも気をつけたほうがいいわよ」美紀が苦笑すると、携帯電話が鳴った。「お母さん、どうしたの?」。電話は美紀の母、光江(藤田弓子)からだった。美紀は和之が会社を辞めて、代わって自分が働き出したことをまだ伝えてなかった。しかし美紀が事情を説明する前に、光江は和之とばったり。「あら、今日は会社お休みなの?」。戸惑う和之にかまわず、光江は家に上がりこむと「たるんでるわね、美紀は」と言いながら家事を始めた。けれど、たまたま現れた真理江(川島なお美)の一言で、和之が主夫をしていることがバレてしまった。
第5話
産みの母より主夫
優介(宮迫博之)がカラフルな新品の水着でスイミングプールに現れた。健児(永井大)が値段をたずねると、優介の表情が曇った。実は笙子(中島知子)には安い値段だと嘘をついたのだ。「自分のもの買うの、後ろめたいんだよ」。言われてみれば和之(阿部寛)も最近遠慮して自分のものを買っていない。「気兼ねなく使える金がほしいから、パソコン教室でも通おうかなと思って。手に職つけて働くんだよ」。優介はもらした。美紀(篠原涼子)は、産婦人科から出てきた笙子とばったり出くわした。「できちゃったみたい」。けれど笙子の表情は浮かない。会社の仕事が忙しく、産休などとても無理。「だから、しばらく優介には内緒ね」「わかった」。美紀は約束すると、笙子から「もう必要ないから」と妊娠判定薬をもらった。それが和之に見つかってしまい、誤解をとくには本当のことを言うしかなかった。「笙子さん、妊娠してるの。でも優介さんには言っちゃダメよ」。一方、お隣りの杉尾家では妊娠をどう打ち明けようかと悩みながら笙子が帰宅してみると、優介がこそこそとお金を隠していた。「もしかしてへそくり?」笙子が問いつめると優介はあっさり白状した。パソコン教室に通いたいので、その受講料を家計をやりくりして貯めていたのだ。「なんだ、だったら早く言えばいいのに。残りは私が出してあげるよ」。笙子は拍子抜けしたが、妊娠のことは言いそびれてしまった。
第6話
苦しい時主夫頼み
幼稚園でシンデレラの劇をすることになり、理絵(安藤咲良)がシンデレラ役に選ばれた。「ほーら、ちちんぷいぷい」。和之(阿部寛)は家事そっちのけでつきあわされている。「パパ、下手ー」。「シンデレラ~、ほーら、ちちんぷいぷい!」隣の家で洗濯物を取り込んでいた優介(宮迫博之)も芝居っ気たっぷりで練習に参加した。ちなみに亮太(吉川史樹)はネズミ役だが、なにしろ引っ込み思案だから、いまから本番が思いやられる。健児(永井大)が冴子(滝沢沙織)のアパートを訪れると、劇で使う小道具作りのお手伝い。2人で作っていると真理江(川島なお美)から電話がかかってきた。「どうした?」。電話を切った冴子は健児が心配するほど暗い表情になっていた。
第7話
出る主夫打たれる
和之(阿部寛)が条件に合う会社を見つけられずに帰宅すると、お隣りの杉尾家では優介(宮迫博之)が主夫ぶりの取材を受けていた。「主夫同士、写真ご一緒に」「遠慮しときます」。和之はあくまでも自分の主夫業は臨時のつもり。「それにしちゃ家事の手つきがよくなってきたよ」。優介に指摘されて面白くないものだから、つい真理江(川島なお美)の前で「会社の仕事に比べたら、どうってことないよ」と口走ってしまった。真理江がカチンときたことに和之は気づかなかった。そんな和之だから美紀(篠原涼子)が正社員になる相談を切り出しても「俺の仕事が決まってからにしてくれよ」とはぐらかした。「金稼いでいる方が強いから、今話すとそっちに有利だろ」と声を荒らげる始末。一方、お隣りの杉尾家もなにやら怪しい雲行き。原因は優介が選んだ取材写真に笙子(中島知子)がクレームをつけたこと。「だってここに私のしわ取りクリームが写ってるじゃない。別のにして」。優介は思わずムッとした。「稼いでる方がそうやって命令していいのかな」「なんでそうひがむの!」。2人は顔をそむけあった。笙子は美紀を呼んで憂さ晴らし。「立場が逆になったから嫉妬してんのよ」「男は自分の旗色が悪くなると、すぐ卑屈になるのよ」。そして冴子(滝沢沙織)のアパートでも険悪なムードが漂っていた。冴子が真理江から持ちかけられた見合いを「しようかな」と言ったものだから、健児(永井大)は面白くない。「そいつ年収いくら?」「見合いするなとか、俺だけを見てろとか、どうして言えないかな」。気持ちはすれ違ったまま、健児は部屋を飛び出した。
第8話
主夫、学成り難し
「お受験したい」。理絵(安藤咲良)の突然の言葉に和之(阿部寛)と美紀(篠原涼子)は驚いた。幼稚園で真理江(川島なお美)の息子、翼(國武大志)が『お受験』すると聞いたらしい。山村家では夫婦ともに公立校で十分だと考えていたが、スイーツクラブで真理江から勧められたこともあり、和之の心は揺れはじめた。「理絵ちゃんは活発だし、お利口だし、お受験向きよ」。さらに、亮太(吉川史樹)は消極的だから…と言っていた優介(宮迫博之)まで関心を示した。一方、美紀は和之が勤めを続けてもいいと言ってくれたのに表情は冴えない。とりあえず黙認というのが和之の本心ではないかと疑っていた。しかも仕事で、編集長の上田(中村繁之)から新しい執筆者の津村教授(菅田俊)に引き会わされたが、この人物がなかなかの難物。「私は働く女性が嫌いだ」。おまけに専門知識をひけらかされて美紀はすっかり自信喪失。そんな暗い気分で美紀は帰宅したものだから、いきなり理絵から「お受験することにしたの」と迎えられてびっくり。「俺の就職もそのうち決まるし」。和之も見切り発車ですっかりその気になっている。「男なんて単純だから」。笙子はそうなぐさめたが和之は本気の様子で、真理江に誘われて、受験のための学習塾の説明会に参加するのだった。
第9話
金は主夫の切れ目
値段も見ずに手当たり次第に、買い物する和之(阿部寛)に優介(宮迫博之)は呆れた。「お宅、家計簿つけてないの?」。優介が心配しても、和之は「俺の仕事さえ決まれば金の心配もなくなるし」と全く意に介さない様子。そんな調子で、理絵(安藤咲良)の誕生日にも、本人からせがまれた『おとぎハウス』を「いいよ」とあっさり約束した。が、今月の生活費の残りを確認して、少し心細くなった和之は、急に思いたってパソコンの家計簿ソフトを開いてみた。一方、健児(永井大)と冴子(滝沢沙織)はお洒落なレストランでディナーを楽しんでいた。「美味しかった。ごちそうさま」。ご機嫌だった冴子の表情が、清算の時になって一変した。健児のクレジットカードが残高不足で使用停止。おまけに現金の持ち合わせも足りなくて、冴子が支払うハメになったのだ。「貯金ゼロで結婚しようなんて、よく言うよ」。健児を置いたまま、冴子はさっさと店を出ていってしまった。
第10話
主夫は暇なし
「一緒にどう?」。優介(宮迫博之)が近所のスーパーでパートしようかなと言い出し、和之(阿部寛)も誘われた。確かに家事にも慣れてスポーツクラブで健児(永井大)相手に暇つぶしをしていることもしばしば。なにより妻に気がねなく使えるお金がほしい。けれど和之は、自分がスーパーで働いている姿を想像できない。「家事も今までどおりちゃんとやってね」。笙子(中島知子)が認めてくれたので、優介は早速パートを始めた。そうなると真理江(川島なお美)のスイーツクラブに参加する男性は和之だけ。「なんだかいじめたくなっちゃう感じ?」。なんとも居心地が悪い。優介に訴えると「自分だってパートすりゃいいじゃん」。レジ以外にも商品の運搬や検品の仕事もあると言われ、和之も考えてみる気になった。「えー、ダメよ」。美紀(篠原涼子)は反対した。家事や理絵(安藤咲良)の世話、それに就職活動はどうするのか。「それはそれでするよ。俺が働くのにおまえの許可がいるのか!」。数ヶ月前とそっくり同じ口論だ。もっともあの時、夫婦の立場は反対だったが…。
第11話
良薬、主夫に苦し
和之(阿部寛)が退社前に手がけたCMが権威ある広告賞に輝いた。授賞パーティーにはCM業界の有力者たちが集まった。旧知の吉川専務も声をかけてくれ、どうやら再就職の道も開けそうだ。とはいえ正式に決まるまでは主夫業にかかりきり。今日は注射嫌いの理絵(安藤咲良)に予防接種を受けさせなければならない。美紀(篠原涼子)からは「大嫌いなんだから心してよ」とクギを刺されたこともあって、和之は理絵に遊びにいくと偽って病院に連れこむつもりだった。だが、当の理絵は気づいていた。一緒にいく亮太(吉川史樹)は優介(宮迫博之)から口止めされていたが、理絵から迫られてあっさり白状してしまったのだ。スイーツクラブは和之の受賞の話題でもちきり。真理江(川島なお美)まで普段とは別人のように持ち上げた。ところが優介だけは浮かない表情。和之の再就職が決まれば主夫仲間がいなくなる。だから笙子(中島知子)に、もうパート辞めようかなと言ってしまった。「一人じゃつまんないし…」「ホントにそれだけ? 山村さんは賞取ったのに自分はこれでいいのかって思ってるんじゃないの?」「パパの嘘つき!」。診察室に連れてこられた理絵はふてくされていた。「頑張れ、偉いぞ、もうちょっとだ!」。注射の痛みに耐える理絵を和之は、いつしか大声で励ましていた。「…お父さん、お静かに」。和之は医者にたしなめられた。

スペシャル

山村和之(阿部寛)と杉尾優介(宮迫博之)は、ともに妻が外で働いて、自分たちが家事をこなす主夫同士。優介は開設したホームページが好評で、ちょっとしたカリスマ主夫気分。人材派遣会社の社長をしている妻の笙子(中島知子)は出産間近で、ベテラン主夫の優介も不安いっぱい。自宅出産を手伝ってもらう助産師の佳恵(野際陽子)から説明を聞きながら、まるで自分が出産するような入れ込みぶり。なのに出産間近に主夫をテーマにした講演会を頼まれた。出産予定日よりも3日前の講演会を優介は断れなく引き受ける。愛娘の理絵(安藤咲良)の運動会準備の日、妻の美紀(篠原涼子)は仕事で出かけてしまい、理絵は元気がない。「ママはママなりに頑張っているんだ」。和之はなだめすかして一緒に運動会の準備へ。かたや優介は講演のため痛い腰をさすりながら自宅を出ようとしていた。「あ、始まったみたい」。なんと予定よりも早く笙子の陣痛が始まった。「俺の代わりに講演をやってくれ。あんたに頼むしかないんだよ」。和之は講演会場に駆け込んだ――。